介護疲れ 相談と検索するときは、もう十分にがんばっているときかもしれません。家族のことだからと一人で背負いやすいテーマですが、介護をする側のしんどさも、きちんと相談してよいものです。この記事では、まず頼りたい相談先、認知症や仕事との両立が気になるときの見方、相談前に整理しておきたいことまで、やさしく分かりやすくまとめます。
介護疲れを抱え込みやすいときにまず知っておきたいこと
介護する側の悩みも相談してよい
介護の悩みというと、どうしても介護を受ける人の状態や手続きのことに意識が向きやすいものです。けれど、家族介護者への支援に関する公的資料では、介護をしている人が「自分のことも相談してよい」と認識していない場合が多いこと、さらに自分にかかっている心身の負担に気づきにくいことが示されています。だからこそ、つらさや不安、仕事との両立の苦しさまで含めて相談してよい、と最初に知っておくことが大切です。
相談が早すぎることはないと考えてみる
地域での家族介護者支援では、支援が必要な人を「見つける」「つなげる」「支える」という流れが大切にされています。また、家族介護者の不安や悩みに答える相談機能の強化も重視されています。まだ本格的に行き詰まっていない段階でも、少し苦しい、何となくつらいという時点で声を出してよい、という見方を持っておくと、使える制度や支援先につながりやすくなります。
まず頼りたい介護の相談先をやさしく整理
地域包括支援センターは最初の窓口にしやすい
どこに話せばよいか迷ったとき、最初の相談先として考えやすいのが地域包括支援センターです。地域の高齢者や家族介護者への総合相談、権利擁護、必要な支援先への橋渡しなどを担う機関で、すべての市町村に設置されています。現在は全国で5,487か所、支所を含めると7,374か所が設置されており、身近な相談先として探しやすいのも特徴です。介護のことだけでなく、暮らし全体の困りごとを整理したいときにも向いています。
市区町村の窓口は制度や申請の入口になる
介護サービスの利用を考える段階になったら、市区町村の窓口が大切な入口になります。介護サービスの利用には、要介護または要支援認定の申請が必要で、その申請は市区町村で行います。地域包括支援センターなどが手続きの案内や代行につながる場合もあるので、制度がよく分からないときほど、自治体窓口か地域の相談窓口をセットで考えると整理しやすくなります。
すでに支援につながっているなら担当者にも伝える
すでに介護サービスを利用していたり、担当者と話す機会があったりするなら、介護を受ける側の様子だけでなく、自分の体調や気持ちも伝える視点が役立ちます。家族介護者支援に関する資料でも、面談時に自分の体調や気持ちを整理して適切に伝えるための自己チェックの活用が紹介されています。きれいに話せなくても大丈夫なので、眠れない、気持ちが張りつめる、仕事との両立が苦しいなど、今しんどい点をそのまま言葉にしてみるだけでも一歩になります。
認知症や仕事との両立が気になるときの見方
認知症の不安は専門窓口につないで考える
もの忘れや認知症の心配がある場合は、地域の相談窓口に加えて、認知症に関する電話相談や専門機関につなげて考える方法もあります。公的案内では、認知症に関する電話相談としてフリーダイヤルが案内されており、若年性認知症専用コールセンターも用意されています。さらに、地域には認知症カフェのように、本人や家族、専門職、地域の人が情報共有しながらつながれる場もあります。ひとりで調べ切ろうとせず、話せる場所を使い分ける見方が大切です。
働きながら介護する人は職場への相談も大切
働きながら介護を担う場合は、家族や公的窓口だけでなく、職場への相談も大切な選択肢です。厚生労働省の案内では、2025年4月1日から、介護離職防止のための雇用環境整備や、介護に直面した労働者への個別の制度周知・意向確認などが事業主の義務になっています。制度が分からないときの相談先として、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)も案内されています。仕事を辞めるか続けるかを一人で抱え込む前に、使える制度を確認する視点を持っておきたいところです。
相談するときにまとめておきたいこと
話す内容を全部整えてからでなくても大丈夫
相談というと、状況を完璧に説明しないといけないように感じることがありますが、最初から全部そろっていなくても大丈夫です。むしろ、何がいちばんつらいかを一つでも言葉にできると、その先の整理がしやすくなります。家族介護者支援の資料でも、心身やこころの健康、家族・介護の状況を把握する視点が示されています。
たとえば、こんなことをメモしておくと伝わりやすくなります。
・いま一番困っていること
・介護が大変になりやすい時間帯や場面
・自分の体調や気持ちの変化
・仕事や家事、育児との重なり
・すでに使っている支援や、まだ使えていない支援
こうして書き出してみると、「介護そのもの」だけでなく、「家族の役割が偏っていること」「休める時間が少ないこと」「制度が分からず不安なこと」など、本当の負担の中心が見えやすくなることがあります。相談は、答えをもらう場というより、自分の状況をほどいていく場と考えると、少しハードルが下がります。
介護をしている人自身に気になる症状がある場合や、心身のつらさが強く続く場合は、無理を重ねず、医療機関や専門家にも相談してください。介護を受ける人に認知症の心配があるときは、地域の相談窓口だけでなく、認知症疾患医療センターやかかりつけ医につながる方法もあります。
まとめ
介護疲れは、まじめな人ほど一人で抱え込みやすいテーマです。ただ、公的な支援では、介護をする家族の不安や悩みに応えることも大切な役割として位置づけられています。迷ったときは、まず地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談し、認知症の不安があれば専門相談、働きながら介護しているなら職場や労働局の窓口も視野に入れてみると、少しずつ整理しやすくなります。全部を一人で解決しようとしなくて大丈夫です。つらさを言葉にすること自体が、支えにつながるはじめの一歩になります。
・厚生労働省「地域包括ケアシステム」
・厚生労働省「認知症に関する相談について」
・厚生労働省「介護サービスの利用のしかた」
・厚生労働省「介護休業制度特設サイト/その他・相談窓口」
・厚生労働省「法改正のポイント」「育児・介護休業法について」
・厚生労働省関連資料「家族介護者支援に関する通知・取組ポイント」


