つわりで食事がとれない日が続くと、「何か食べなきゃ」と焦ったり、「これで大丈夫かな」と不安になったりしますよね。妊娠中の吐き気や嘔吐は早い時期によくみられ、朝だけでなく一日中つらく感じることもあります。まずは、今のつらさを大げさだと思わず、食べられる形を少しずつ探していくことが大切です。この記事では、一般的に案内されている食べ方の工夫や、食べやすいものの考え方、相談を考えたいサインをやさしく整理します。
つわりで食事がとれないとき、まず気にしすぎなくていいこと
食べられない日があっても、自分を責めなくていい
つわりは妊娠初期によくみられる不調のひとつで、感じ方にはかなり個人差があります。朝だけつらい人もいれば、時間に関係なく気持ち悪さが続く人もいます。一般的には妊娠16〜20週ごろに落ち着くことが多いと案内されていますが、長く続く人もいます。だからこそ、「みんなは平気そうなのに」と比べすぎないことが大切です。
妊婦健診では、つわりの対処法や妊娠中の食事、日常生活について相談できると厚生労働省も案内しています。つらい時期は、ひとりでがんばりすぎず、健診のときに「最近これがつらいです」とそのまま伝えて大丈夫です。
食べやすいものは「少量・淡い味・におい控えめ」から考える
朝はひと口から始めると楽なことがある
一般的な案内では、朝起きてすぐに空腹で気持ち悪さが強くなる人には、ベッドから起きる前に乾いたトーストやプレーンなビスケットを少し口にする方法が紹介されています。いきなりしっかり食べるより、まずはひと口から始めるほうが負担が少ないと感じる人もいます。
一般的に案内されやすい食べものの例
よく案内されているのは、脂っこさが少なく、味が強すぎず、消化の負担を感じにくいものです。たとえば、パン、米、クラッカー、パスタ、じゃがいも、プレーンビスケット、乾いたトーストなどが挙げられています。米国産科婦人科学会の案内では、バナナ、ライス、りんごのすりおろし、トースト、紅茶のような軽めの組み合わせも紹介されています。温かい料理のにおいがつらいときは、冷たい食べもののほうが受け入れやすいこともあります。
日本の食事に置き換えるならこんな選び方
海外の案内を日本の食事に置き換えるなら、白がゆ、やわらかいうどん、そうめん、塩気の強すぎないおにぎり、クラッカー、食パン、冷ましたじゃがいも料理などは考え方が近い選び方です。栄養をきれいに整えることよりも、まず「今の自分が口に入れやすいか」を優先してよい場面もあります。少し食べられそうな時間があるなら、そのタイミングで少量ずつ試してみるのが現実的です。
食べものによっては、冷たいゼリー状のものや、のどごしのよい果物、ヨーグルト、飲めそうなときのスムージーなどが入りやすいと感じる人もいます。MedlinePlusでも、食べられそうなときに少量ずつ、果物や野菜を使ったスムージーなどを試す案内があります。
食べ物以外でも、つらさを軽くしやすい工夫がある
においと空腹を避けるだけでも違うことがある
つわりの時期は、強いにおいが引き金になりやすいことがあります。熱い食事のにおい、香水、歯みがき粉などが気になりやすいという案内もあります。そんなときは、温かい料理より冷たい料理を選ぶ、換気をする、調理を家族に頼る、においの強い場所をできるだけ避けるなど、環境を少し変えるだけでも過ごしやすくなることがあります。疲れが強いと吐き気がつらくなりやすいとされているため、休めるときに休むことも大切です。
空腹も満腹も、どちらもつらさにつながることがあります。仙台赤十字病院の案内でも、空腹も満腹も症状が強くなりやすいため、少量を頻回にとる方法が紹介されています。まとまった一食が難しい日は、1〜2時間おきにひと口ずつでも大丈夫です。
水分は一度にではなく、少しずつ
水分は大事とわかっていても、ごくごく飲むとかえってつらいことがあります。一般的な案内では、水や飲みやすい飲みものを少しずつ、回数を分けてとる方法がすすめられています。仙台赤十字病院では、スプーン1杯程度の少量をこまめに、氷でもよいと案内しています。口にしやすいタイミングを見つけて、ひと口ずつ重ねていくイメージで十分です。
生姜を使った飲みものや食べものが合う人もいます。NHSでは、ジンジャーティーやジンジャービスケットなどが役立つ場合があると紹介されています。ただし、生姜のサプリメントのように濃縮されたものを使うときは、自己判断だけで続けず、薬剤師や医療機関に相談する案内もあります。手首を押すタイプのアキュプレッシャーを試す人もいます。
水分がとれないときは早めに相談を考えたい
受診を考えたいサインを知っておく
つわりには個人差がありますが、水分や食事がほとんど入らない状態が続くと、脱水や体重減少につながることがあります。MedlinePlusでは、重い妊娠悪阻では脱水、体重減少、電解質の乱れがみられることがあると案内されています。
次のようなときは、我慢しすぎず、かかりつけの産婦人科や助産師、医療機関へ早めに相談したいサインです。とても濃い色の尿しか出ない、8時間以上尿が出ていない、24時間食べ物や水分を保てない、立つとふらつく、腹痛がある、発熱がある、吐いたものに血が混じる、体重が減ってきた、という状態は受診の目安として案内されています。水分もとれないときは点滴が必要になる場合があるという病院の案内もあります。
全部できなくても大丈夫と思える整え方
今は完璧より、続けやすさを優先してみる
つわりの時期は、理想の食事をきれいにこなすより、「少しでも入る」「今日は水分が昨日より口にしやすい」そんな小さな変化を見ていくほうが気持ちが楽になることがあります。食べられる日と食べられない日の波があっても自然なことです。まずは、朝のひと口、冷たいもの、少量をこまめに、水分は一度にではなく少しずつ。このあたりから、自分に合う形を探してみてください。
まとめ
つわりで食事がとれないときは、がんばって普通の食事に戻そうとするより、今の体調に合う形を探していくほうが取り入れやすいことがあります。乾いたものを少し、冷たいものを選ぶ、少量をこまめに、水分はひと口ずつ。そんな小さな工夫でも十分です。つらさが強い日や、水分まで入りにくい日が続くときは、ひとりで抱え込まず医療機関に相談してみてください。全部をきちんとできなくても大丈夫です。今の自分に合うやり方を、少しずつ見つけていければそれで十分です。

